No.715 承継
先日、当千年経営研究会のメンバー2名が受講していた、愛知県倫理法人会主催の『後継者倫理塾』の修了式に参列していきました。
冒頭、各自2分半の『研究発表』があったのですが、皆さん、この1年間の成長を感じられる素晴らしい内容でした。
発表されたテーマの多くは、私たちの『後継者会』で常に喧々諤々交わされる悩みや課題とほぼ同じようなものであり、取り組まれた解決策も近しいものでした。
しかし、1年間に亘り、同じメンバーで寝食を共にしてきた分、実践が徹底され、具体的な成果も出されているように感じました。『後継者会』でも、より一層実践の徹底を図っていきたいと感じました。
さて、今回の発表の中で、「継ぐ会社がなくなりました」という驚きの内容がありました。倒産や廃業ではなく、M&Aで継ぐはずの社長のポストがなくなったというのです。考えてみればあっても決して不思議ではないのですが、社長を継げなかったケースの内、私自身初めてリアルに耳にする内容でした。
この発表を聴き終わった後、後継者の皆さんには「継げる会社を残してもらえる幸せ」をぜひ感じて欲しいと思いました。
そして譲る側の方々には、「心から継ぎたいと思える会社を残す」その責任の重さを感じて欲しいと願わざるを得ませんでした。
式の最後に、現役社長である愛知県倫理法人会会長から、次のような挨拶がありました。
「私たち経営者は、自分の会社に命がけです。そして、その会社を継いでくれることは、人生最大の喜びであり、最高の親孝行です。」
譲る者の本音を聴かせていただきました。
一方で、
「会社を継ぐということは、責任と借金を背負うということです。その覚悟をもってください」
ともお話になりました。こちらも継いでくれる者への嘘偽らざる願いだと思います。
譲る側も、譲られる側も、この葛藤の中で事業承継の悩みを抱えている、そのことを改めて痛感させていただきました。
そしてこの千年経営研究会は、その悩みを解決する場所で続けたい。その覚悟を再認識させていただく機会となりました。