No.692 感恩

今年に入って、『感恩ノート』なるものを付け始めました。これは、読んで字の如く、「その日その時に感じた“恩”を書き留めるノート」です。

どんな内容でもよく、とにかく「有難い」と感じたことを書き留める。何よりも“恩意識”の感度を高めることが目的です。

実は昨年来、名古屋市南区倫理法人会の中で作成する人が徐々に増えてきていて、彼・彼女たちが見せる実に多種多様な変化に触れる中で、私自身も「いつかやってみたい」と思いつつも、なかなか踏み切れないでいました。「面倒くさそう」と・・・(苦笑)。

しかし、年末年始にかけて、改めて自分に不足していることは何かと見詰め直した結果、やはり“感恩”の大切さに思い至り、仕事始めの5日から開始しました。

「1日最低1件」のノルマは課しているものの、あまり数を求めず、これまで見逃していたことや、「自分の心に明るい変化をもたらしてくれた」という視点でピックアップしています。

それでも、約30日で90件以上になっていますから、1日3件平均の恩をしたためていることになります。これまでいかに多くの恩を見逃してきたかを反省しているところです。

やってみて気付いたことや、やってよかったと思うことはたくさんありますが、今回はそのうちのいくつかを紹介します。

第一に、これまでどれほど感謝しなければならないことを「当たり前」に、それどころか「不平不満」に思っていたかに気付いたことです。大変な思い違いをしていたものだと痛感しています。

一方で、数日経って、「あれも感謝しなければならないことだった!」と思い出して追記することもあり、感恩力が高まっていることを少しずつ実感しています。このノートをつけていなければ、完全にスルーしてしまうところでした。

第二に、読み返したときにその内容がにわかには思い出せないことがあることです。もちろん、記憶力の問題もあるのでしょうが、感恩の深さに問題があるように思います。

今は、記憶力の補完と、恩の深堀の訓練のため、できるだけ詳しく書き留めるようにしています。おかげで、これも以前から「いつかは」と思っていた日記の実践にもなっています。

第三に、通常であれば「恐れ」「怒り」「悲しみ」などのマイナスの感情で受け取ってしまうことに対しても、前向きに受け止めることができるようになってきていることです。

お恥ずかしい話、実は今、人生2回目のコロナに罹患して、自宅監禁状態にありますが、これも「神様から貴重な時間をいただいた」と受け止め、これまでやろうと思っていてもできていなかったことに取り組んでいます。おかげさまでとても充実した監禁ライフを過ごさせていただいています。

いずれにしろ“感恩力”を高めることは、何より自分の人生を豊かなものにするものだと、しみじみと感じています。

まだ始めて1カ月ですが、この取り組みは一生涯続けていきたいと思います。

ぜひ皆さんも、一度チャレンジしてみてください。皆さんの人生に幸多かれと祈ります。