No.693 財産
今年も、確定申告の時期がやってきました。
私は全く戦力にはなりませんが、税理士事務所の一職員として、少しお手伝いをさせてもらっています。
やっていることといえば、資産家の方々を対象とした資料回収のサポートや、医療費控除の計算など、今日入ったアルバイトでもできることばかりです。同一職種で日本一高額なアルバイトかもしれません。
それはさておき、資料回収に同席しておりますと、何億、何十億という財産をお持ちになりながら、少しも幸せそうには見えない方がいらっしゃいました。それどころか、財産があるがために不幸になっておられるような印象さえ受けました。
当社の担当者と交わされる会話に耳を傾け、その内容をお聴きすると、そういう方に共通するのは、ご自身で作られた財産ではなく、相続によって得られたものであるにも関わらず、まったく感謝の気持ちが感じられないことです。
その上、「財産はあって当たり前」「減るのは嫌」「使うなら自分のため」「税金なんてまっぴらごめん」・・・感謝の気持ちがないどころか、自分のことしか考えられない人に共通する姿のように思います。
また、そのような方の医療費を確認させてもらうと、かなり高額になっていることが多く、さらには、ご子息やお孫さんがメンタルヘルス系の医療機関にかかっていることが多い。とても悲しい気持ちになってきます。
一方で、とても幸せそうな方もいらっしゃいます。その方々に共通するのは、いただいた財産に感謝の気持ちを持たれていることはもちろんのこと、どれほどの財産があっても、イキイキと喜んで働いておられたり、社会貢献のための活動をされていたりします。そのような方は大概ご夫婦で来られ、常に笑顔で接してくださいました。
やはり人生は、財産のあるなしに関わりなく、その生き方、暮らし方に幸不幸の原因があるのだと痛感させられます。
私も財産はありませんが、幸せそうに見える方に共通する働きと行いを実践していきたいと思います。