No.696 価格
先日、驚きの出来事がありました。
私は、名刺交換をした方に礼状をお出ししているのですが、名刺をお渡ししているので、当方の住所は書かず、会社でのお付き合いであれば会社名と氏名を、所属団体での出会いであれば所属団体名と氏名だけを書いてお送りしています。
「驚きの出来事」というのは、2週間ほど前に出させてもらった手紙が、住所不定で自宅に戻ってきたことです。もちろん、自宅の住所が書いてあれば届くのが当たり前ですが、書いてあったのは「名古屋市南区倫理法人会」という会名と氏名のみ。これで自宅に届いたのには、本当にびっくりしました。
データベース化されていて、「名古屋市南区」と「亀井英孝」で紐づけをして送り返してくれたのでしょう。「同姓同名がいたらどうなっていたんだろう」とは思いますが、それでも住所未記載のまま、帰るべき場所に帰るべきものが帰って来たのには驚きました。
以前であれば捨てられていたかもしれないその手紙は、次回お会いした時に手渡ししようと思います。
一方で、このところ普通郵便では、投函してから届くまでに市内でも2日、場合によっては4日もかかる状況のようです。「朝に出せば、早ければ当日、遅くとも翌日の午前中には届く」というのは、今ではもう夢のまた夢の世界のようです。
一見、サービスの低下のようにも思えますが、そもそも早く着いて欲しければ、「速達(250gまで+260円)」という制度があります。実際に、郵便局のホームページで『速達』の説明書きを読みますと、
【概要】お急ぎの郵便物・ゆうメールをスピーディにお届けします。
【こんな方にオススメ!】「とにかく急いでいる方」「提出期限ぎりぎりに差し出される方」
と書いてありますから、普通郵便で翌日届くというのは、そもそも過剰サービスだったように感じます。
これからは
「普通郵便なら3日は覚悟、翌日までに届けたければ速達で」
と認識しておく必要があるのでしょう。
ちょうど今、「まだ届かない」とヤキモキしている郵便物があるのですが、「速達でお願いします」と一言加えればよかったと後悔しているところです。
また、今年の秋ごろには、定形郵便物(25g以下の封書)の料金が、現行の84円から110円に値上げされるようです。実に1.3倍!私にとって懐に厳しい季節がやってきそうです。
翻って自社のサービスを考えたとき、価格にそぐわない、過剰なサービスになってしまっているものはないでしょうか。
「人が雇えない」「労働時間は短縮しなければならない」という状況の中、サービスのありようそのものを見直す時期に来ているのかもしれません。
「郵便局は独占事業だからできること」との声も聞こえてきそうですが、それでも考える余地はあるように思います。
もちろん、社内の効率化を進めることで吸収できるものであれば良いのですが、「これ以上は無理」というものもあるでしょう。これを機に、生産性の観点からサービス内容の見直しを行い、価格改定の検討をしてみてはいかがでしょうか。今であれば、受け容れられる可能性は高いように思います。