No.710 国柄
先週のコラムにて、「伊勢神宮に関わるお話を」とお伝えしていたにも関わらず、「伊勢神宮についての話がなかった」とのご指摘がありましたので、今週は伊勢神宮に関わるお話をさせていただきたいと思います。
「なにごとのおわしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる」
この和歌は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した歌人、西行法師のものです。
そして「なにごと」が「おわします」場所が伊勢神宮であり、「涙こぼるる」ほど「かたじけなさ」を感じられたのが、そこに祀られておられる方ということになります。それは、天皇家の祖、天照大神であり、代々守り続けていただいた天皇家をはじめ、関わってこられた人々に他なりません。
この感動は、やはり前回のコラムで書かせていただいたような内容を知っていなければ、理解できないものだと思います。
戦後、私たちはこの感動を奪われてきました。しかし、世界の人々は知っています。
「幾世にも亘りいやしと安寧をもたらしてきた神聖なるこの地を訪れ、世界中の人々が 平和に理解し合って共生できるように祈る」
(アメリカ合衆国 第44代大統領 バラク・オバマ)
「伊勢神宮に象徴される日本国民の豊かな自然との密接な結び付きに深い敬意を表する」
(ドイツ連邦共和国 第8代首相 アンゲラ・メルケル)
「平和と静謐、美しい自然のこの地を訪れ、敬意を払うことを大変嬉しく思う」
(イギリス キャメロン首相)
「日本の源であり、調和、尊敬、そして平和という価値観をもたらす精神の崇高なる場所」
(フランス オランド大統領)
これらの言葉は、去る2016年に開催された伊勢志摩G7サミットにて、各国代表者が口にされたものです。
外からははっきりと見えている伊勢神宮、そして日本という国柄の価値。私たちは、かつて当たり前に持っていたこのような心を取り戻さなければならないと思います。
皆さんにも、改めて世界が認める日本の文化を見つめ直す機会にしていただければと思います。
なお、伊勢神宮に関する詳細については、公式ホームページ(https://www.isejingu.or.jp/)をご確認ください。