No.713 継承
先週、三好会で開催された月例会にて、千年経営研究会創立15年目にして初めての企画が行われました。それは、会員と後継予定ないしは後継候補の子息子女との親子参加。
今回は2組の家族が来てくれましたが、私自身どう接したらよいものかと戸惑いながらも、新鮮な感覚をもって参加させていただきました。
後継者会メンバーのように、既にガッツリと経営に関わっているわけではありませんから、後継者特有の会社や社長、または幹部社員などに対する批判めいた発言はありません。
逆に、会社や両親に対する感情や、これまでの育てられ方などをおじさんたちから根掘り葉掘り聴かれて、それこそ戸惑いを感じながらの参加であったと思います。
これまで私たちは、入社後一定期間を経過し、会社や会社を取り巻く社会に対しての一定の感情が醸成されてからのメンバーを対象としてきました。よって、彼・彼女の疑問・質問に答えていくことによって、会が成り立っていました。
しかし今回は全く無垢な状態。今後、同様の企画を実施するならば、その子たちに対して、私たちは何を目的とし、どう接するべきかを明確にする必要を感じました。
これまで私たちは、「我が子に継がせる意思のない経営者」に対して、同族承継の意義と価値を伝え、何社もその道へ導いてきました。
一方で、子息子女がいながら「後継者不在」で廃業されている企業が増えている現状を鑑みれば、「継ぐ意思のない子らへの啓蒙」というテーマが我々の役割として必要なのではないかとの思いが、今回の企画を通じて湧いてきました。
かつて、物心つく頃から「若社長、頑張れよ!」などと声を掛け、その気にさせてくれた近所のおじさん、おばさんのような存在。
または、元々継ぐ意思があったにも関わらず、時の経過とともに薄らいでしまった、ないしは自分の本音に蓋をしてしまった子らの背中を押してあげる存在。
そんな存在になるための取組が必要なように感じたのです。
今回参加してくれた子らがどう感じたかはわかりませんが、これを機に新たなテーマを検討していきたいと思います。