No.721 役割

8月末を以て、3年間務めさせていただいた名古屋市南区倫理法人会の会長職を満了致しました。関わっていただいたすべての方々に御礼申し上げます。

それに伴い、先週の金曜日が会長として最後のモーニングセミナーとなり、92名という過去最高の自単会会員参加者を前にお話させていただきました。

143名でスタートした3年前、最終的には60名増の203名で期末を迎え、新旧相まって、その半数近い方にお越しいただいたことに、とても感慨深いものがありました。

さて、私は常々

「人は人を育てることはできない。人を育てるためには場と役割を与えること」

とお伝えしてきましたが、今回の講話にあたって3年間を振り返る中で、改めてそのことを実感しています。

もし会長を受けていなかったとしても、今日という日に何の違和感を覚えることはなかったでしょう。しかし、この3年間の経験を通して気付き、学んだことを振り返る中で、「この気付きや学びがなかったら」と思うと、背筋が凍る思いがします。それほど、会長を受けていなかったら経験できなかったことがたくさんありました。

やはり、人に場と役割を与えることはとても大切な事であり、もし自分に何か場と役割を与えられたのならば、喜んで引き受けるのが、あるべき姿なのだと痛感しています。

一方で、「やっと経営者の気持ちがわかるようになりましたね」と揶揄もされましたが、本当にその通りだと思います。やはり、その立場に立たなければわからないことはあるものです。

ただし、経営者団体ではいくらトップが失敗しても潰れることはありませんし、身ぐるみはがれることはありませんから、全然重みは違いますが・・・

もう一つ、改めて感じていることは、

「当代の経営はよくて当たり前。当代の評価は次代で決まる」

ということ。

おかげさまで、集っていただいた会員の皆さんの働きにより、とてもよい成果を上げさせていただきました。しかしそれは、経営者として決して褒めてもらうようなことではなく、当然のことと認識しなければなりません。その成果が次代にまで継続することができて初めて、その功績は認められるものだと思います。

会長職は辞しますが、これからより素晴らしい会になるよう次代を支え、先代として精一杯尽力していこうと思います。そして、その姿勢を以て、千年経営実現に向けた譲る者のあるべき姿を示していくことができればと思います。