No.726 組織

今月から新しい期を迎えた当社では、大きな組織の見直しを行いました。

これまでは『職能別組織』と言われる体制を採ってきました。これは別名『機能別組織』とも呼ばれ、「営業」「生産」「人事」などの職能・機能ごとに分けられた組織形態を言います。

当該組織には、「部署ごとに専門性が高まる」「知見・ノウハウが蓄積しやすい」「部門ごとのまとまりが強まる」などのメリットがあり、実際に当社でもこれまで大きな成果を享受してきました。一方、「部門間の意思疎通が図られにくい」「責任の所在があいまいになる」などといった弊害が生まれやすいと言われており、残念ながら当社でもそれに類する問題が生じていていました。

そこで今回、これまで積み上げてきた職能別組織の成果をさらに昇華・発展させていくため、組織体制の見直しを行うことにしたのです。

私たちの経営理念は『自利利他』であり、中でも「お客様の喜びを我が喜びとする」ことにあります。また、私たちのパーパスは、『お客様の課題を解決することで、地域経済、ひいては日本の社会を支える』こととし、そのお客様を「一般法人」「ヘルスケア事業者」「資産に関わる悩みを抱える経営者ならびに資産家」と定義付けています。

これらの方々は、一口にお客様とは言うものの、抱えておられる課題、求められているサービスや知識・経験、満足や喜びのポイントなどが違っています。であるならば、もっと明確に、もっとそれぞれのお客様に寄り添った体制を作っていくことが、理念・パーパス、そして『深く温かい人間性と、高度な専門的能力を併せもつ日本一の事務所になる』というミッションにもかなったものになるとの結論に至りました。

その実現のために、今期より『事業部制組織』と言われる体制へと移行しました。事業部制組織とは、事業ごとに編成された組織を配置した組織形態です。“事業”とは、「誰に、何を、どのように提供するか」を明らかにしたものですから、先に挙げたお客様ごと、お客様の課題・ニーズ・満足ポイントごとに組織編制するということです。

その結果として、私たちが目指す「日本一お客様から信頼される事務所」「日本一働くメンバーが成長する事務所」「日本一社会から尊敬される事務所」を、それぞれの事業部でさらに追求し、結果として事務所全体が日本一の事務所になっていく、これを目指す改革元年にしていきたいと思っています。

もちろん、課題はあります。事業部制は、その性質から、事業部間の調整・統制が難しいと言われます。しかし、かのパナソニック(株)も、事業部制組織から一旦職能別組織に移行しながら、一定の成果を挙げた後、改めて事業部制に戻していると言われていますから、自信と覚悟をもって進めていきたいと思います。

去る10月5日は、創業者・佐藤澄男の命日でした。墓前で新体制への移行を報告すると共に、暖かく見守っていただくようお願いをしてきました。

環境は常に変化します。環境が変われば戦略を変え、戦略が変われば組織は変えていかなければなりません。組織を常に最良の形に変化させ続けていくことが経営者の使命なのです。私どももよりよい変化を目指して、理想の組織を追求していきたいと思います。