No.736 伝達
先日、「人が思うように動いてくれない」という相談を受けました。
話をお聴きすると、どうもご自身の思いを一方的に話されているだけで、対象となる方々の思いが理解できていないように感じました。
人は、「何を言われたか」ではなく「誰に言われたか」で動きます。そして、その“誰”とは、「自分のことをわかってくれる人」です。
人が気持ちよく動いてくれるためには、最低でも3つの関門をクリアしなければなりません。
- 理解:伝えようとすることが正しいことだとわかってもらえる。
- 納得:「それなら自分でもできる」と感じてもらえる。
- 感動:「やりたい!」と思ってもらえる。
さらに、❸の「やりたい!」と思う内容は、人によって異なります。
その視点もさまざまですが、今回その方には、
「人は、その精神的な成熟度合いから、誰のため、何のために動くかが異なります。少なくとも、目の前にいる人は、次の3つの“ため”のどこにいるのかを意識して話をしてみてください」
とお伝えしました。その3つの“ため”とは、以下の内容です。
□自分のため:それをやることが自分にとってどんなメリットがあるのかを伝える。
□人のため:それが、どんな人のどんな幸せにつながるのかを伝える。
□組織のため:それが組織にとってどんな効用をもたらすのかを伝える。
もし個々ではなく、集団を対象に話をする場合は、この3つを網羅することを意識されると良いでしょう。
この内容は、多くの場合に有効です、みなさんも意識した話の組み立てを考えてみてください。伝わり方が違ってくると思います。