No.746 感謝

先日、当千年経営研究会の総会が開催され、終了後に恒例の講演会が行われました。

今回は2部制で、1部は会員による近況報告、2部はデービット・アトキンソン氏による基調講演とトークセッションが行われました。2部については、また来週のお楽しみということで、今週は1部の内容について、少しだけご紹介させていただきたいと思います。

発表者は、近藤合成 株式会社 代表取締役 近藤秋彦さん(豊橋会所属)で、「千年経営研究会の歩みと成長」というテーマで、30分ほどお話しいただきました。

彼は平成23年に29歳で入会されました。当時はリーマンショックの影響から悪化した業績が戻らず、とても苦しい経営が続いていた状況で、危機感を覚えたお姉さんが、少しでも勉強になればと入会を勧めてくれました。

しかし、当時はまだ平社員。「何となく継ぐことになるのかな、とは思っていた」とのことですが、「自覚はあるけど覚悟はない」という状態にあったとのこと。

翌年、営業活動の強化が必須課題と認識していたメインバンクのすすめにより、常務取締役に就任。役員の名刺を持って、新規顧客発掘に邁進することになります。

やったこともない営業活動に戸惑いはあったものの、お母様の「会社と家を残して欲しい」という懇願に一念発起、右も左もわからないままにお客様獲得に奔走したのだそうです。

そんな彼は当時、会に参加するたびに私から「早く結果を出せ」と言われ続けられたことが、今でも忘れられないとのこと。それは私が誰にでも言い続けていることですが、それが奮起の種になっていたとするならば、業績回復に少しはお役に立てていたということ。隠していた私のパワハラ気質が露見した恥ずかしさはあったものの、とても嬉しく思いました。

実際にそれから数年後、1社のお客様に頼りきりだった売上構成が、複数のお客様でそれぞれが20%以下となり、とてもバランスの良い構成になったと称賛したことを覚えています。

当時のことを振り返った彼は、「(20歳の時に亡くなった)親父の背中を追っていたんだと思う」と言います。

平成29年に社長に就任、「姉が繋げてくれたバトン」という彼は、令和5年に結婚。昨年長男が誕生し、さらに周囲への感謝の気持ちが強くなってきているとのことです。

最後に、「会社がある、家がある、飯が食えることは当たり前じゃない。天から見守ってくれる父親と、これまでの多くの縁に感謝して、これからも邁進していきます」と締め括られた話は、彼の人間性が溢れたとても良い報告でした。

彼の発表に際しては、周囲の仲間がリハーサルに付き合ったり、発表内容を一緒に考えたりと、多くの時間を割いてくださったとのこと。それも嬉しく思いました。

「この世はご縁でできている」

私自身、改めてそのことを強く認識し、感謝の心で生きてい行きたいと思います。