No.750 承継

去る3月26日に帝国データバンクから発表された「社長年齢分析調査(2024年)」に、興味深いデータがありましたので、ご紹介したいと思います。

これまでも、社長の平均年齢が年々上昇していることはご紹介してきました。今回の調査でも前年を0.2歳上回る60.7歳で、34年連続で過去最高を更新したとのこと。

今回私が着目したのは、「社長交代後の新社長の年齢」です。その年齢は52.7歳。平均年齢が60.7歳ということは、社長在位年数は8年間しかない計算になります。

これは数字のマジックで、「社長交代によって平均15.9歳若返った」という解説もある通り、実際にはもう少し長いのでしょうが、それでも就任時年齢の平均が50歳を超えているという結果には、驚きと共に、危機感を覚えました。

平均年齢が50歳を超えているということは、かなり高齢になってから就任する方が相当数いらっしゃるということ。まさに“老老承継”状態になってしまっている会社が多く存在すると類推されます。

これに対して私は、事業承継に関して次のような考えを持っています。

□すべての意思決定が社長の集中する中堅・中小企業において好ましい経営を実現しようとするならば、社長としての経験量が必要不可欠であり、相応の年数を要する。

□社長就任後、最初の10年は社長としての修業期間で、その後の10年で初めて自分らしい経営が実現できる。

□修業期間においては、少なくとも4~6年程度は熟練経営者である先代との併走期間を設けたい。

この条件に照らし合わせた時、継ぐ者の年齢は40代、それもできる限り早い方がよいものです。私は36歳を超えれば十分だと思っています。

この考えと今回の調査結果とは10歳以上の開きがあり、中堅・中小企業の存続・発展に黄信号が灯っているように感じたのです。

この原因は、譲る側の社長交代時の平均年齢から伺われます。その年齢は「同族承継」で71.6歳。譲る側に早期承継の意味が理解されていない証左だと思います。

我々はこの15年、継ぐ側の意識に着目して活動を進めてきましたが、これでは片手落ちであると痛感しました。

これまで全く意識していなかった「社長就任時年齢」、これからは最重要データの一つとしてウォッチしていきたいと思います。

そして、社長交代時の譲る側と継ぐ側それぞれの平均年齢を10歳若返りさせることをミッションとして、譲る側の意識改革のために何ができるかを真剣に考えていきたいと思います。